Speaker
石原 安野
(千葉大)
Description
高エネルギー宇宙ニュートリノは、宇宙のどこかで加速されている超高エネルギー宇宙線が天体内外の光や物質と相互作用することで生成される荷電パイオンの崩壊によって作られる。同時につくられる中性パイオンの崩壊からはガンマ線が出るので、ニュートリノ天文学と言う時は常に光を使った観測と組み合わせ、マルチメッセンジャー天文学として統合的に宇宙を理解するということを目指す。このような高エネルギー宇宙ニュートリノの観測目指し南極点に建設されたのが世界初となる一立方キロメートルの容量を持つIceCubeニュートリノ望遠鏡である。北半球の地中海やバイカル湖でも同規模の望遠鏡の建設が進められている。本講演ではIceCubeの完成から約10年で得られた成果を紹介し、その成果を踏まえた将来展望について議論する。