Speaker
Fumitaka Endo
Description
我々は、原子核におけるアイソスカラー型巨大単極共鳴(ISGMR)から核物質状態方程式の一部であるの圧縮率を決定することを目指し、大強度重イオンビーム照射可能な大型アクティブ標的CAT-Mの開発を行っている。これまでの研究ではデータ収集システムとしてGETを用い、 86KrのISGMR 測定に成功したが、より効率的なデータ収集にはチップやファームウェアの開発が必要であり、さらにGETの製造終了により新規システムの導入が求められている。
本研究では、CAT-M のアップグレード候補として、SPADI Alianceを中心として開発が進められている連続読み出し型波形ディジタイザ SAMIDAREの導入に向けたSAMIDARE試作基板とMini TPCを用いた実機テストを実施した。Mini TPCはCAT-Mの一部であり、反応前のビーム粒子の飛跡を検出する小型のTPCである。本実験ではこのMini TPC2台を用いアルファ線の飛跡検出を通して、電荷分解能の評価を行い、SAMIDAREの性能および CAT-M への適用可能性を検討した。
本講演では、実機試験の結果を示すとともに、CAT-M アップグレードに向けた今後の展望について議論する。