Speaker
Keishi Suzuki
Description
暗黒物質の候補のひとつにWIMPがあり、標的原子核との弾性散乱を観測する直接探索が進められているものの、未だ発見には至っていない。このような背景から、近年ではミグダル効果を用いた暗黒物質探索手法が注目されている。ミグダル効果とは、原子核が突然動いたときに低確率で電離・励起が生じる現象である。追加の電子信号を検出できるため、低質量WIMPに対する探索感度が向上すると期待されている。ところが、原子核反跳に伴うミグダル効果は実験的な観測事例がない。そこで、MIRACLUE実験では中性子ビーム照射実験によるミグダル効果の検証を目指している。本講演では、2025年11月に実施した中性子ビーム実験について報告する。