MPGD & Active媒質TPC2025研究会
from
Friday, 19 December 2025 (12:00)
to
Saturday, 20 December 2025 (18:00)
Monday, 15 December 2025
Tuesday, 16 December 2025
Wednesday, 17 December 2025
Thursday, 18 December 2025
Friday, 19 December 2025
13:30
Opening
Opening
13:30 - 13:40
Room: 銀河ホール
13:40
Mini TPCを用いた連続読み出し波形ディジタイザSAMIDAREの実機試験
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Fumitaka Endo
Mini TPCを用いた連続読み出し波形ディジタイザSAMIDAREの実機試験
Fumitaka Endo
13:40 - 14:05
Room: 銀河ホール
我々は、原子核におけるアイソスカラー型巨大単極共鳴(ISGMR)から核物質状態方程式の一部であるの圧縮率を決定することを目指し、大強度重イオンビーム照射可能な大型アクティブ標的CAT-Mの開発を行っている。これまでの研究ではデータ収集システムとしてGETを用い、 86KrのISGMR 測定に成功したが、より効率的なデータ収集にはチップやファームウェアの開発が必要であり、さらにGETの製造終了により新規システムの導入が求められている。 本研究では、CAT-M のアップグレード候補として、SPADI Alianceを中心として開発が進められている連続読み出し型波形ディジタイザ SAMIDAREの導入に向けたSAMIDARE試作基板とMini TPCを用いた実機テストを実施した。Mini TPCはCAT-Mの一部であり、反応前のビーム粒子の飛跡を検出する小型のTPCである。本実験ではこのMini TPC2台を用いアルファ線の飛跡検出を通して、電荷分解能の評価を行い、SAMIDAREの性能および CAT-M への適用可能性を検討した。 本講演では、実機試験の結果を示すとともに、CAT-M アップグレードに向けた今後の展望について議論する。
14:05
PS-TEPCの月周回有人拠点搭載に向けたDAQ開発
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Kazutoshi Takahashi
PS-TEPCの月周回有人拠点搭載に向けたDAQ開発
Kazutoshi Takahashi
14:05 - 14:30
Room: 銀河ホール
位置敏感型生体等価比例計数箱(Position Sensitve Tissue Equivalent Proportional Chamber, PS-TEPC)は荷電粒子線のLETを測定可能な宇宙線量計である。線量計測に対して利点を持つ生体等価物質で構成され、コアセンサーとしてμ-picを利用している。PS-TEPCは2016年に国際宇宙ステーションにおいて動作実証が行われ、現在は月周回有人拠点への搭載に向けた小型モデルの開発を行っている。小型化の要点はμ-PICの信号読み出し回路のASIC化であり、LTARS2018_K06Aの評価基板を利用したDAQ系の構築を進めている。本講演では、後段データ処理の軽量化を目的とした、パルス波形から最大波高値と立ち上がりタイミングを抽出しSiTCPのRAWデータとして出力するFPGAロジックの開発について主に発表する。
14:30
MIRACLUE実験における中性子ビームを用いたミグダル効果探索
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Keishi Suzuki
MIRACLUE実験における中性子ビームを用いたミグダル効果探索
Keishi Suzuki
14:30 - 14:55
Room: 銀河ホール
暗黒物質の候補のひとつにWIMPがあり、標的原子核との弾性散乱を観測する直接探索が進められているものの、未だ発見には至っていない。このような背景から、近年ではミグダル効果を用いた暗黒物質探索手法が注目されている。ミグダル効果とは、原子核が突然動いたときに低確率で電離・励起が生じる現象である。追加の電子信号を検出できるため、低質量WIMPに対する探索感度が向上すると期待されている。ところが、原子核反跳に伴うミグダル効果は実験的な観測事例がない。そこで、MIRACLUE実験では中性子ビーム照射実験によるミグダル効果の検証を目指している。本講演では、2025年11月に実施した中性子ビーム実験について報告する。
14:55
MIRACLUE実験における統合DAQシステムの開発
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Shiori Nishida
MIRACLUE実験における統合DAQシステムの開発
Shiori Nishida
14:55 - 15:20
Room: 銀河ホール
ミグダル効果の観測を目的としたMIRACLUE実験では、検出器の性能を向上させるべくμ-TPCのストリップ間隔を800μmから400μmに縮小し、それに伴いDAQボードを6枚から12枚に増設した。この変更に対応するため、複数のDAQボードを統合的に制御する新たな統合DAQシステムを開発した。本発表ではこのシステムの概要と構成、及び2025年11月に実施した中性子ビーム実験での運用について報告する。
15:20
break
break
15:20 - 15:45
15:45
高圧XeガスTPCを用いたミグダル効果探索の初期解析結果
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Ayumi Nakano
高圧XeガスTPCを用いたミグダル効果探索の初期解析結果
Ayumi Nakano
15:45 - 16:10
Room: 銀河ホール
原子核反跳に伴い、極稀に電子の電離や励起が起こる「ミグダル効果」は、実験難度から未だ観測に至らず、事象の有無が明らかになっていない。事象が存在する場合、原子核反跳のエネルギーに加えて電子反跳エネルギーも発生することから、暗黒物質の直接探索における実行感度を高めることができる。 我々MIRACLUE実験では、ガスTPC (Time Projection Chamber) に中性子ビームを照射することで、原子核反跳に伴うミグダル効果の探索を行なっている。本発表では12月初めに行った、高圧XeガスTPCに10 MeV中性子を照射したビーム試験の、初期解析結果を報告する。
16:10
AXEL実験1000L検出器の実装に向けた高電圧印加システムの効率化
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Evan Lim
AXEL実験1000L検出器の実装に向けた高電圧印加システムの効率化
Evan Lim
16:10 - 16:35
Room: 銀河ホール
AXEL実験では、1000L検出器で電子をドリフトさせるために、およびEL光を出すためには、-80kVの電場が必要とされている。なお、現時点で、研究グループ内ではバックグラウンド放射線量が多いセラミックコンデンサーの用いたcockcroft-walton (CW)回路で-72kVにしか到達できないため、昇圧回路の改善が必要。ここで、本研究では、放射線量の低い耐電圧の高いコンデンサーを開発し、回路の構造を変えることによって、その問題を解決しようとした。また、180L検出器では、アノード電極まわりの放電事項が問題となっており、その解決策としては、FPCで電極を開発し、放電を抑えることが進められている。
16:35
ニュートリノを伴わない二重ベータ崩壊探索に向けた高圧XeガスTPC AXELの分解能のシミュレーション
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Yuko Watanabe
ニュートリノを伴わない二重ベータ崩壊探索に向けた高圧XeガスTPC AXELの分解能のシミュレーション
Yuko Watanabe
16:35 - 17:00
Room: 銀河ホール
ニュートリノがマヨラナ粒子である場合に起きるニュートリノを伴わない二重ベータ崩壊は、ニュートリノの極めて小さい質量や物質優勢の宇宙を説明できる可能性を秘めている点で重要である。本研究では、高圧キセノンガスTPC (A Xenon ElectroLuminescence detector) において光検出を行う素子であるMPPCの非線形性の揺らぎが分解能に与える寄与についてシミュレーションを行った。
17:00
マイクロストリップ電極を用いた一相式液体キセノン検出器の開発
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Shingo Kazama
マイクロストリップ電極を用いた一相式液体キセノン検出器の開発
Shingo Kazama
17:00 - 17:25
Room: 銀河ホール
次世代暗黒物質直接探索実験 XLZD では、現行の二相式に加え、液面制御を必要としない一相式液体キセノン検出器が有力な候補として注目されている。本研究では、特に石英ガラス基板上にマイクロストリップ電極をパターニングした一相式液体キセノン検出器を開発し、その性能評価を進めている。本講演では、豊田工業大学との共同研究により試作した電極を紹介するとともに、液体キセノン中での初期試験結果について報告する。
17:25
プラットフォームC報告
プラットフォームC報告
17:25 - 17:50
Room: 銀河ホール
18:30
懇親会
懇親会
18:30 - 20:30
Saturday, 20 December 2025
09:00
GEMの電荷増幅率の位置依存性および厚み依存性調査
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Kohei Oikawa
GEMの電荷増幅率の位置依存性および厚み依存性調査
Kohei Oikawa
09:00 - 09:25
Room: 銀河ホール
加速器実験での荷電粒子飛跡検出器において、粒子の信号増幅にガス電子増幅器 (Gas Electron Multiplier : GEM) の使用が検討されているが、電荷増幅率の空間非一様性が問題となる。我々は、GEMの電荷増幅率の位置依存性の測定をおこなった他、その空間非一様性の一因として考えられるGEMの厚みについて、シミュレーションおよび測定をおこない影響を検討した。本研究では、以上より得られたGEMの厚みと電荷増幅率の相関について報告する。
09:25
電子飛跡検出型コンプトンカメラを用いた核物質管理に向けた応用試験
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Shinya Sonoda
電子飛跡検出型コンプトンカメラを用いた核物質管理に向けた応用試験
Shinya Sonoda
09:25 - 09:50
Room: 銀河ホール
我々が開発している電子飛跡検出型コンプトンカメラはコンプトン散乱によって生成される反跳電子の方向を測定できるためガンマ線の到来方向を一意に決定できる検出器でありガンマ線の全単射画像を得ることできる.Point Spread Functionの範囲内であれば線形性と定量性を持つ画像を得ることができるため定量性が重要な法令に関わる分野への応用が期待できる.本講演では科学警察研究所の協力のもと実施したCs-137とCo-60の測定試験と新型転換炉原型炉ふげんで実施したイメージング試験の結果について報告する.
09:50
小型X線源MXS(MXS-20k)の開発
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Kentaro Miuchi
小型X線源MXS(MXS-20k)の開発
Kentaro Miuchi
09:50 - 10:15
Room: 銀河ホール
"MPGD等のエネルギー較正に用いられる小型のX線源として、MXSが玉川等にによって開発され[1]、複製品を神戸大学でも製作して使用してきた。チタンをターゲットとして用いるこのMXSは55Feの少し下のエネルギー較正を可能とすると共に光源のUV LEDの操作によってパルス状のX線を放射可能なものである。今回、ミグダル効果の観測実験などで利用するために、20k耐圧のフィードスルーを用い、銅をターゲットとして使用するX線源の製作を行った。本講演ではこちらの新しいX線源(MXS2025)の開発について報告する。 [1] W.B.Iwakiri, et.al, RIKEN Accel. Prog. Rep. 48 (2025) など "
10:15
break
break
10:15 - 10:40
10:40
J-PARC T98実験:LArTPCによる反粒子同定手法検証実験の概要と解析状況
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Yutaro Yano
J-PARC T98実験:LArTPCによる反粒子同定手法検証実験の概要と解析状況
Yutaro Yano
10:40 - 11:05
Room: 銀河ホール
GRAMS実験の粒子識別原理を液体アルゴンTPCで検証するため、J-PARCで反粒子ビームを用いたT98実験を実施した。10^5以上の反陽子捕獲事象に加え、陽子・重陽子・π±など多様なデータを取得した。TPCシミュレーションを構築し、信号再現とGeant4モデル比較を行うとともに、CNNによる2次粒子識別手法の開発を進めている。本発表ではこれらのデータ概要、シミュレーション、2次粒子解析の現状を報告する。
11:05
GRAMS実験における気球上での液体アルゴン運用に向けたLAr純化装置の開発
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Shintaro Arai
GRAMS実験における気球上での液体アルゴン運用に向けたLAr純化装置の開発
Shintaro Arai
11:05 - 11:30
Room: 銀河ホール
LArTPC は液体アルゴン中の電離電子を読み出して高精度な 3 次元飛跡再構成を行う検出器で、GRAMS 実験では反粒子や MeV ガンマ線観測のために搭載されている。高性能のためには液体アルゴンの高純度が不可欠だが、気球実験では重量や電力などの制約から地下実験のような大型純化装置を使用できない。GRAMS では従来の充填方法で十分な純度が得られない場合があったため、新たな純化装置を開発し、充填条件による純度を系統的に評価した。本発表では、純化装置を用いた純度試験の結果について報告する。
11:30
Status of the µNID neutron imaging detector at the J-PARC MLF
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Joseph Parker
Status of the µNID neutron imaging detector at the J-PARC MLF
Joseph Parker
11:30 - 11:55
Room: 銀河ホール
Within the J-PARC Materials and Life Sciences Experimental Facility, the µNID (µPIC-based Neutron Imaging Detector) has been utilized for energy-resolved neutron imaging at the RADEN and NOBORU instruments for over 10 years. More recently, a µNID has been installed at TAIKAN to act as a forward SANS detector. In this presentation, we will discuss the current status of these detectors along with ongoing development efforts to improve detection efficiency, spatial resolution, and count rate performance.
11:55
lunch
lunch
11:55 - 13:15
13:15
方向感度をもつ暗黒物質探索に向けた大型ガスTPCの性能評価
-
Ryota Namai
方向感度をもつ暗黒物質探索に向けた大型ガスTPCの性能評価
Ryota Namai
13:15 - 13:40
Room: 銀河ホール
方向感度をもつ暗黒物質の直接探索実験であるNEWAGEは、ガスTPCを用いた反跳原子核の3次元再構成技術を用いた探索を進めてきた。現在NEWAGEでは、探索感度向上のため、モジュール型検出器を搭載可能な大型ガスTPCである「C/N-1.0」の開発を進めている。この度、モジュール型検出器をC/N-1.0に導入し、地上での運用試験に向けた性能評価を開始した。本講演では、この性能評価の結果について報告する。
13:40
暗黒物質探索実験に用いる陰イオンガスTPCにおける不純物組成評価
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Wakako Toyama
暗黒物質探索実験に用いる陰イオンガスTPCにおける不純物組成評価
Wakako Toyama
13:40 - 14:05
Room: 銀河ホール
方向感度を持つ暗黒物質探索実験NEWAGEではガスTPCを用いて暗黒物質による原子核反跳をとらえることを目指している。陰イオンガスTPCは、電離電子をアタッチして生成された陰イオンがドリフトする。将来的には、陰イオンガスであるSF6を用いた探索を計画している。SF6はガス中で2種類のイオンを形成するため、到達時間差から3次元絶対位置の飛跡再構成も可能である。しかし現在、ガス中の不純物の影響によりキャリアが複数できてしまうため、位置再構成が困難な状態である。そこで、残留ガス分析装置(RGA)を用いてSF6ガス中の不純物組成評価を行い、原因となる不純物を特定・除去するための研究を行っている。本講演ではその進捗状況について報告する。
14:05
ピクセル読み出し型ガスTPC開発の現状
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Satoshi Higashino
ピクセル読み出し型ガスTPC開発の現状
Satoshi Higashino
14:05 - 14:30
Room: 銀河ホール
NEWAGEをはじめとした方向感度を持つ暗黒物質(WIMP)探索実験は、ガスTPCを用いて原子核反跳飛跡再構成技術を用いてWIMP到来方向を推定し、太陽ニュートリノBGによる感度制限を超えた低質量暗黒物質探索を行うことを目指している。一方、低質量暗黒物質由来の信号は反跳原子核の飛跡が短く、検出器の読み出し粒度よりも短い飛跡の再構成ができない問題があった。この問題を打開すべく、微細ピッチのピクセル読み出し型ガスTPCの開発を進めている。本講演では、その進捗状況を報告する。
14:30
break
break
14:30 - 14:55
14:55
3 軸読み出しμ-PIC TPC によるガンマ線対生成事象の観測可能性の検討
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Taiyo Sato
3 軸読み出しμ-PIC TPC によるガンマ線対生成事象の観測可能性の検討
Taiyo Sato
14:55 - 15:20
Room: 銀河ホール
1 - 50 MeV のガンマ線観測は、低エネルギー宇宙線の存在や加速源、暗黒物質崩壊の探査に有力である。ETCC を用いた高エネルギーガンマ線の観測のため、対生成・コンプトン散乱を弁別するアルゴリズムを開発した。UVSOR BL1U にて 3 軸読み出し µ-PIC TPC にガンマ線ビームを照射する実験を行い、観測データから到来方向を再構成し対生成事象を抽出可能であることを確認した。本講演では実験の概要と解析結果について報告する。
15:20
表面アルファ線分析のためのGEMとCMOSによる光学TPC開発
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Shinya Aoyama
表面アルファ線分析のためのGEMとCMOSによる光学TPC開発
Shinya Aoyama
15:20 - 15:45
Room: 銀河ホール
地下宇宙素粒子実験では、検出器を構成する材料に含まれるRI不純物を極限まで低減する必要がある。本研究では、材料表面に由来するアルファ線の分析に注目し、CF₄ガス中の飛跡に沿って生じるGEM発光をCMOSカメラで直接撮像する光学系に基づいたTPCの開発を進めている。本検出器は、GEM–PMTによる時間情報に加えて、CMOSイメージから得られる空間情報を統合することで三次元飛跡の再構成を可能にする。本講演では、光学系を含む検出器構成、GEM発光イメージの取得結果、ならびに飛跡再構成と粒子識別に向けた今後の展望について報告する。
15:45
アクティブ媒質TPCへのCryo-CMOS導入に向けた検討
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Ayumi Morita
アクティブ媒質TPCへのCryo-CMOS導入に向けた検討
Ayumi Morita
15:45 - 16:10
Room: 銀河ホール
これまで、ニュートリノ実験で使用する液体アルゴン検出器用低温信号読み出しエレクトロニクスを開発してきた。現在、低温エレクトロクスの高機能化と液体ヘリウム検出器の実現のために、数K以下の極低温下で動作可能なCryo-CMOSの導入を検討している。本研究では、Cryo-CMOS導入の初口として、高放射線耐性ADCとして設計・製作された素子の液体ヘリウム温度における動作特性評価から、Cryo-CMOS信号読み出しエレクトロニクスの開発方針を議論する。
16:10
Closing
Closing
16:10 - 16:20
Room: 銀河ホール