Speaker
佐々木 知依
(高エネルギー加速器研究機構 加速器研究施設)
Description
J-PARCメインリングのビーム入射時の周回ビームの診断のために、6桁のダイナミックレンジを持つ2次元ビーム形状モニターを開発中である。テストベンチの試験で、ビームが測定光学系を格納した真空容器を通過することを模擬した実験において有意な高周波共振が発生することが分かった。そして、この共振がビームから見たカップリングインピーダンスを増大させ、大強度ビームの不安定性を誘発することが懸念された。その対策として電磁波吸収体である炭化珪素SiCとフェライトを挿入することで、共振を十分に低減する効果を確認した。現在はこれら吸収体を実機への取り付けるための部品の構造設計と製作を進めている。また吸収体の発熱を真空チャンバー外へ放熱させるための構造の設計と、その評価試験を行っている。本発表ではこれらの現状について報告する。