Speaker
武藤 史真
(高エネルギー加速器研究機構 素粒子原子核研究所)
Description
加速器を用いた素粒子実験においてはビーム強度増強が世界的な競争になっている一方で、大強度ビームで発生する放射線もますます強くなり、放射線環境下での機器のモニタリングはますます困難になっている。なぜならば高放射線環境下では半導体機器はもちろん、部品に有機物を使った機器はことごとく動作不良を起こしてしまうからである。機器監視にメジャーな光学カメラや赤外線カメラなどは使用できず、高放射線環境下ではもっぱら熱電対などの無機材料のみで製作できる素子のみに頼って機器監視を行うしかないというのが現状である。J-PARCハドロン実験施設でも高強度ビームに対応できる回転型の粒子生成標的を開発中であるが、その監視手法が課題である。本発表では高放射線環境下で動作可能な数少ない測定器だけで回転標的を監視する手法について紹介する。