Speaker
倉崎 るり
(高エネルギー加速器研究機構 素粒子原子核研究所)
Description
J-PARCハドロン実験施設では、2次粒子生成標的として1次陽子ビーム強度100kW以上の大強度ビームに対応した回転円盤型標的の開発を進めている。円盤形状の標的を回転させることにより熱負荷を円周方向に分散させることで、より大強度のビームを受けられるようにするものである。より冷却能力を高めるために円盤の形状をフィン型にしている。回転円盤型標的の開発を進めるにあたって冷却方法が問題となる。ヘリウムガスを吹き付けることによる直接冷却式を検討しているが、直接水冷式と比べると冷却能力(熱伝達率)は落ちてしまう。熱伝達率は理論的な算出が困難であるため実験による計測が必要となる。そこで、冷却能力を評価するための実機形状を模擬した装置を構築し、データの測定を進めている。本発表では、回転円盤における熱伝達率の測定結果について報告する。