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Description
$^{239}$Puの熱中性子核反応における核分裂収率を核反応モデル計算コードCCONE~[1] を用いて計算した。実験データと比較して検証した結果を本発表で行う。
これまでの核データにおける核分裂収率の評価は、主に独立核分裂収率と積算核分裂収率を基にして評価値が決められてきた。しかし核分裂収率は、全運動エネルギー(TKE)や即発中性子、崩壊熱など様々な観測量と関連する物理量であり、それらも考慮した評価値の決定が求められている。JENDL-5~[2] でいくつかの改良が実施されたが、依然として核分裂に伴う観測量との相関は総合的に考慮されていない。この問題を解決するために、我々は核反応モデル計算コードCCONE~[1]を用いた核分裂収率計算システムを開発した。この計算システムでは、核分裂直後の収率分布を5-Gaussianモデルで近似することで、TKEや即発中性子、崩壊熱などの核分裂に伴う観測量を系統的に計算することができる。本発表では、この$^{239}$Puの核分裂収率を計算した結果について紹介する。
References
[1] O. Iwamoto, N. Iwamoto, S. Kunieda, et al., The CCONE Code System and its Application to Nuclear Data Evaluation for Fission and Other Reactions. Nuclear Data Sheets, 131 pp. 259–288 (2016).
[2] O. Iwamoto, N. Iwamoto, S. Kunieda, et al., Japanese evaluated nuclear data library version 5: JENDL-5. Journal of Nuclear Science and Technology, 60, pp.1–60 (2023).