ホウ素中性子捕捉療法(BNCT)では、治療用中性子ビームの品質保証に金の放射化法が用いられている。しかし、金の放射化法は測定結果を得るまでに時間を要するため、リアルタイムに測定可能な中性子センサーが要望されている。シリコン半導体を用いたリアルタイム中性子センサーを改良し、この測定精度を品質管理に求められる精度に向上した。
ホウ素中性子捕捉療法で患者に照射する中性子ビームの品質を保証するため、中性子の深度分布評価が必要である。現状、金線を用いた金中性子放射化法が主流となっているが、多大な時間を要してしまうという課題がある。本研究は、アルミニウムの中性子放射化法とイメージングプレートを併用した深度分布を計測評価する手法を提案した。アルミニウム放射化法はピーク領域付近で±1.0%の差異で金放射化法を再現でき、良い一致が見られた。
バルクの放射性廃棄物に対し、放射性物質の三次元位置分布を測定することができれば、対象物の効果的な除染を検討可能になる。そこで廃棄物として黒鉛ブロックからCo-60ガンマ線が観測されたと仮定して、ブロック内部のCo-60の分布を3次元で計測するイメージング手法の開発を試みた。対象領域の一部では再構成が可能であることが実験により確認された。
phitsシミュレーションを用いて、60Co線源からのガンマ線をビーム状にコリメートし、配管に照射した。ビーム照射体系や検出器コリメータなど幾何学配置に関する詳細な検討を実施した。
放射線治療では腫瘍周辺の正常細胞への線量を下げる必要がある。しかしながら人体内部の各組織は呼吸などにより移動しており、特に消化管器系の運動のモニタリング技術は未確立である。そこで我々は、ガンマカメラを用いて治療用放射線の散乱線による消化管内空隙の移動の検知を提案している。
ニュースバルBL01は世界的に稀有なLCSガンマ線源である。現在、BL01の性能向上を目的として研究を行っている。本発表では、光学系最適化によるガンマ線強度向上、高出力レーザー導入、Geant4計算との比較について報告する。
CaF₂中のU,Thの質量分析の手法を確立し、その手法を用いて帯融精製を行ったCaF₂結晶中におけるU,Thの偏在を分析した結果について報告する。