13 March 2025
KEKつくばキャンパス 3号館セミナーホール
Asia/Tokyo timezone

講演の概要


「江戸時代の乳と人口」
講演者:蔦谷 匠 (総合研究大学院大学 統合進化科学研究センター・助教)


-地球科学でも用いられる同位体分析の方法によって古人骨を調べることで、過去の授乳・離乳パターンを直接復元することができます。そうした分析を利用して、江戸時代の都市の拡大・育児書の流行・奉公の経験が当時の人びとの子育てや人口動態に与えた影響について、復元した研究の事例を紹介していただきます。

 

「文化財科学に対する量子ビームの活用と今後への期待」
講演者:沓名 貴彦 国立科学博物館 理工学研究部 科学技術史グループ・グループ長 


-近年、分析装置の高度化から文化財への利用が広範に行われるようになり、さまざまな成果が得られています。加えて多様な量子ビームを有する日本では、文化財への利用も盛んになってきています。沓名氏はKEKの研究者らと、J-PARCの負ミュオンを用いた「非破壊深さ方向元素分析」を文化財に利用する研究を行っています。今回はその成果の紹介とともに、他の量子ビームにおける文化財利用の現状や、今後の安全な文化財への調査のために必要な情報、基盤整備の必要性などについてお話しいただきます。