17–18 Nov 2023
Asia/Tokyo timezone

超小型X線衛星 NinjaSat に搭載する GEM X線検出器のモンテカルロシミュレータの開発

17 Nov 2023, 14:40
25m

Speaker

朋志 武田 (理研/東京理科大学)

Description

NinjaSatは 2023年11月に打ち上げ予定の超小型X線衛星であり、運用上の高い柔軟性を活かして、従来の大型衛星では難しかった明るいX線天体の長期観測を実現する。 NinjaSat には 2-50 keV に感度をもつ 10 cm 立方サイズの GEM X線検出器 (Gas Multiplier Counter; GMC) を2台搭載する。 観測によって得られる天体のスペクトルには検出器の応答が畳み込まれているため、天体本来のスペクトルを求めるには、検出器応答を詳細に知っておく必要がある。 GMC の検出器応答を定量的に理解するために、我々は地上較正試験の結果を取り込んだモンテカルロシミュレータを開発している。まず、X線により検出器内で生じる2次電子の3次元分布を、Geant4 を用いて再現した。そして (1) ドリフト領域での2次電子の電子拡散・輸送、(2) GEM による電子増幅、(3) インダクション領域での電子拡散・輸送について、モンテカルロ法を適用することで電極に到達する電子数および時刻を見積もり、これに (4) アナログ信号処理回路の応答を畳み込むことによってX線の信号波形を模擬した。本講演では、シミュレータの概要に加えて、高エネルギー加速器研究機構で取得した単色X線データとの比較によるシミュレータの評価結果について報告する。

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