Speaker
晋一 秋山
(東北大学)
Description
AXEL実験は高圧キセノンガスTPCを用いたν無二重ベータ崩壊探索実験である。信号としてElectroluminescence(EL)光を用いることで高いエネルギー分解能を持たせるとともに、セル構造を持ったユニークな読み出し機構(ELCC)とシンチレーション光検出の組み合わせにより3Dトラック情報を再構成することで、バックグラウンドの排除を行うことが可能な検出器となっている。 現在までに180Lプロトタイプ検出器においてELCC12ユニット、7.6barキセノン中で測定を行い、1836keVで0.73+-0.11%(FWHM)の分解能を得ており、これは136Xeの0νββのQ値に換算して0.60+-0.03%に相当する。 次の1000L検出器に向けては、検出光量を向上する大口径MPPCの評価、放電を防ぐために diamond like carbon(DLC)を電極に用いたELCCや、ドリフト電場形成のためのコッククロフト・ウォルトン回路、波長変換剤を用いた効率的なシンチレーション光検出手法の開発等とともに、神岡宇宙素粒子研究施設での実験に向けた準備を進めている。本講演ではこれらの現状について報告する。