21–23 Dec 2023
Asia/Tokyo timezone

量子技術の素粒子実験への応用

22 Dec 2023, 10:50
40m

Speaker

陳 詩遠 (ICEPP)

Description

量子ビットはエネルギー準位が制御可能できる人工原子としての側面を持ちつつ、デザイン次第では原子に比べてはるかに大きな結合定数を持つ。センサーとして高いポテンシャルを秘めているのは明らかである。同時にこれはノイズにも弱いことも意味するが、低ノイズ環境への追求は量子コンピューターの文脈でこの20年大きな飛躍を遂げ、電磁ノイズといった凡庸なノイズは効かないが面白いノイズ (コヒーレント光子・ダークマター・重力波etc.) は見えるというオイシイ状況が図らずも典型的な実験系で実現されている。単一マイクロ波光子検出、単一マグノン検出などの重要なマイルストーンが達成されている一方で、量子ビットの粒子センサーへの応用はまだ研究が初期段階である。このトークではこうした研究の現状と、量子ビットが近い将来大きなインパクトをもたらしうる素粒子実験の領域や、そこから外挿される長期展望について、ここまで研究してきた雑感を交えながら議論する。

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