Speaker
佐藤 大輔(AIST)
Description
高周波加速管には、常伝導加速管、超伝導加速空洞の他に、誘電体と金属を用いた誘電体加速管という第三の加速管が開発されている。本講義で取り上げる誘電体アシスト型加速管(Dielectric Assist Accelerating Structure, DAA管)は、この誘電体加速管に分類される。DAA管は、金属管内に低誘電損失材料からなる誘電体同軸構造と誘電体円盤を周期的に装荷した加速構造を持つ。この誘電体装荷型金属空洞の高次の共振モードにあたるTM02nモード(n:次数)をビーム加速に利用することで金属管表面に生じる導体損失を大幅に低減することが可能である。その結果、室温で非常に高いシャントインピーダンスを実現することができる。
本講義では、誘電体加速管開発の歴史的変遷から、DAA管の基本原理、現在に至るまでの研究開発の現状について紹介する。