MLFでの機械学習の活用例として、中性子実験多次元データのディープラーニングを用いたデノイズを中心に発表する。
RIBFは、ウランまでの全元素にわたる不安定原子核を生成可能な重イオン加速器施設である。複数のサイクロトロンを多段的に組み合わせることでビームを加速し、大強度のビームを生成することができる。しかし、ビーム輸送中の損失が大きい場合、加速器の運転に支障をきたすため、電磁石設定によるビーム調整が極めて重要となる。 このようなパラメータ最適化にはベイズ最適化が有効な手段であるが、通常のベイズ最適化では最適化過程でビーム損失が増大する可能性がある。また、多次元パラメータ空間での最適化は計算コストが高く、実時間での運用が困難であるという問題がある。 そこで本研究では、安全制約付きベイズ最適化手法である SafeLineBO を用い、安全性を確保しつつ多変数を一次に射影して最適化を行うことで、ビーム調整を安全かつ高速に実現する手法の開発を行っている。...
我々は2025年10月、低エネルギービームラインにおいて 7MeV/u, 400 enA 程度の 12C ビームに対してsafe line BO による transport 最適化テストを行った。 最終的にビームの輸送効率の向上には至らなかったものの、safe line BO 及び一般的な自動最適化の実装についていくつか知見を得られたため、本発表ではそれらの知見を反省を交えながら報告する。